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岩貞 痛すぎ!満塁被弾

序盤のつばぜり合いで中日に主導権を奪われた阪神が完敗を喫し、今季初の最下位に転落した。
          
中日先発・吉見に対して、阪神は西岡を1番・原口5番・高山8番と言うオーダーで挑む。初回 西岡がフルカウントから四球を選ぶとすかさず盗塁を決め、3番ゴメスの左前適時安打で先制のホームを踏んだ。

マウロ・ゴメス内野手が先制打を振り返る。「打ったのはスライダー。インコースのボール球を我慢強く見逃せて、それでカウントが有利にすることが出来たので、ベース版の上を通るボールだけを狙って打ちにいったんだ」。

阪神先発・岩貞は初回一死から四球の大島にらくらく二盗を許し平田の遊撃内野安打で1・3塁となった後、4番ビシエドの中犠飛であっさり追いつかれる。2回裏にも堂上・桂の連打と犠打で二死2・3塁とされるが、ここは1番 荒木をチェンジアップで空振り三振に仕留めた。

阪神は2・3回にも走者を出すが、岩貞のバントが併殺になったり、盗塁失敗(鳥谷)もあって相変わらず流れが悪い。すると3回裏 岩貞は振り逃げ(暴投)・四球で無死1・2塁のピンチを招き、4番ビシエドの左前適時安打で中日に勝ち越し点を許す。更にナニータ・四球で無死満塁となり、6番 福田には直球勝負でレフトスタンドへ2試合連続の4号満塁本塁打(グランドスラムは福田自身初)を叩き込まれ6対1の大差をつけられてしまった。岩貞祐太投手は、今季最短の3回(71球)6安打4三振3四球 6失点で降板する。

4回表 阪神は福留・北條のヒットで二死1・3塁として、8番 高山がフルカウントからのフォークボールを上手く拾って左中間を破る適時二塁打を放って2点を返す。

阪神は4回から継投。榎田は2イニングを投げ無失点。高橋も走者を出しながらも併殺で逃げて3点差を保っていたが、7回裏 登板した安藤が5番ナニータに右中間へ8号ソロを叩き込まれて7対3と突き放される。8回にも今季初登板・筒井がビシエドにこの試合3打点目となる右前適時安打を許して8対3と完全に駄目を押された。

序盤でがっちり主導権を握った中日は、吉見を5回まで投げさせて勝利投手の権利を与えると6回から岡田〜福谷〜田島と繋いで危なげなく試合を締める。先発が早々と崩れた阪神は、後半は殆ど無抵抗のまま 8対3とナゴヤドームで中日に完敗。秋田で巨人相手に連勝を飾った東京ヤクルトと入れ替わって、昨季5月12日以来の単独最下位に転落した。

「何とも言えんわ。(岩貞は)四球がやっぱり痛いわね。(満塁アーチは確かに痛いけど)まだまだ取り返せるイニングだったから。(打線については)何を言ってもしょうがないけど・・・吉見の状態を考えればもう少し点はとれたと思う」。金本知憲監督が、重い口を開く。「(バント失敗に触れて)ああいうので流れが変わるからね、本当に!キャンプからずっとやって来て・・・投手のバント練習もこれだけやってるのに、もう1回徹底してやらざるを得ない。ただやるんじゃなく、ちゃんと正しい形を理解して、反復練習しかないわね!」と吐き捨てた。
 
「今、何位? 前半戦の順位は一日で1位から4位、3位から5位とかになる。だから順位は関係ない。今は上しか見ていない。一番上しか!・・・そこしか見てやらないから」。7月以降に最下位と言うのは野村監督時代の2001年以来だが、「育成優先なんて一言もいってないし、思ってもいない。北條もソコソコやっているんだし、高山も・・。(捕手の事なども全て含め)それが、俺 今のベストだと思っているから。・・・誰かいる?  北條を下げてヘイグ使う? 高山の代わりに誰がいる? 若手育成じゃなくて、現状のベストメンバーよ!」。『超変革』は、道半ば・・・指揮官の信念は、少しも揺らいでいなかった。