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北條が3本の長打で竜を粉砕

3本の長打を放った北條が、本拠地では初めてとなるヒーローインタビューを受けた。
 
「声が響いてよかったです(笑)」
 
前回はマツダスタジアムだったため、テレビ中継用だけで、球場内には音声が流れていなかったのだ。
 
チームが苦手とする中日先発・ジョーダンを1人で攻略した。初回、先頭で左翼線に二塁打を打つと、大和の犠打で三塁へ進み、相手の野選で先制のホームイン。「初回はチームに勢いをつける、内容のいい打席にしようと心掛けています」という言葉通り、一番打者の役割を果たした。
 
2回は右翼線への二塁打で広角に打ち分け、5回は4月3日のDeNA戦以来となる2号ソロを、レフトスタンドへたたき込んだ。
 
「先頭バッターだったので、塁に出ることを考えて。フォアボールでもいいと思って、真っすぐの甘い球だけ待っていました」
 
カウント3-1からやや低めのストレートをとらえた一発だった。プロ初ホームランと同様、フェンスを越えるとは思わなかったようで、二塁ベースを回るまで全速疾走。試合後も「うれしいより、びっくりしているほうが大きいです」と苦笑いした。
 
ただ、金本監督には予感があったと言う。
 
「波って言うのかな、打ててなかったところから、上がり始めたとき。きのうから早出(特打)をやってるけど、腰を使って振れて、バットが上からダウンで入ってくれば、ホームランが出ると言っていた」
 
北條もその言葉を聞き、ホームランを打ちたいと思っていたようだ。
 
「ツーベースとか多くしていきたいし、ホームランもまだ1本だったので、打ちたい気持ちはありました。悪いときは体が突っ込んでバットが出なかったけど、きょうはいい形で振れました」
 
2試合連続で鳥谷に代わってショートに入り、守備も無難にこなした。本人は「まだまだ。難しいゴロとか飛んできてないし、気は抜けない」と謙虚に言ったが、監督の評価は上がっている。
 
「トリ(鳥谷)の代わりは荷が重いところ。その中でああいうバッティングができる。面白い存在ですね」
 
最後のフレーズは最高の褒め言葉だろう。
 
「2連勝したので、あしたも勝って3連勝したいと思います!」
 
ヒーローインタビューの最後、北條は力強くファンに誓った。