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完投させたらアカン!

開幕以来不振の先発左腕がまたも序盤に崩れ、絶好調・東京ヤクルトの猛打に沈められてしまった。

ヤクルト秋季キャンプが行われる松山坊ちゃんスタジアムでの公式戦。東京ヤクルト先発・原に対する阪神は6番ファーストにナバーロを入れて、8番 木浪をショートで起用する。初回一死から糸原・糸井の連打で走者をためて4番 大山の左前適時安打で先制。福留は倒れるもナバーロが右前適時安打を放って、初回に2点を奪った。

阪神先発は、移籍後未勝利のガルシアが3度目登板で初勝利を目指す。立ち上がり 太田・青木の連打と山田哲・四球でいきなり無死満塁となって、4番バレンティンにストレートの押し出し四球を与え1点。続く雄平・遊ゴロの間に2点目を許す。その後二死まで漕ぎ着けるも、7番 村上には真っ直ぐを捉えられ右中間へ4号勝ち越し3ラン。痛恨の一発が効き初回に大量5失点を食らって、あっさりヤクルトに逆転されてしまった。

何とか食らいついて行きたい阪神は2回表 木浪の左二塁打とガルシア・犠打で一死3塁とするが、近本・糸原が返せない。その裏 ガルシアは一死後、青木・中越え三塁打とバレンティン・四球で1・3塁とされ、5番 雄平にも右前適時安打を見舞われ遂にノックアウト。交代した守屋も6番 西浦に中前適時安打を浴びて、更に失点を重ねている。

ガルシアは、今季阪神先発最短の1回1/3(58球)で降板。7安打 1三振 3四球 7失点と散々な内容に頭を抱えた。開幕から3試合連続の7失点KOとあっては、ベンチとしても打つ手がなかった。

4回裏には、阪神3人目の岩崎が4番バレンティンに左中間への4号ソロ本塁打を浴びて大きく水を開けられる。大量援護にヤクルト・原は2回以降はしっかりと立ち直る。阪神は6回表に福留の二塁打からチャンスを作って梅野・遊ゴロの間に漸く1点を返すが、大勢は変わらない。7回裏には5人目・尾仲は走者を溜めて2番 青木に押し出し死球。9対3と一方的なスコアとなった。

9回表 阪神はナバーロのこの試合2安打目となる一塁線突破の右二塁打。二死後 途中出場・中谷が右翼ポール直撃の2号2点本塁打を放って、原に必死の抵抗を見せる。結局9対5で敗れヤクルト・原に今季チーム初完投を許したが、最後までファイティングポーズを崩さない姿勢だけは大いに評価したい。東京ヤクルトが首位を守り、小川監督は通算400勝を達成している。(原は134球11安打 6三振 1死球 5失点完投)

対戦2周り目の初戦を落とした阪神は、試合後 緊急会議を開きチーム立て直しへ当面の策を練った。「(ガルシアは)もう3回目やからね。今のまま投げてもイイもの出そうな感じがなかなか無いので、一旦抹消します」。矢野燿大監督の声も元気がない。「まぁ、序盤でね。あれだけ行かれちゃうと、なかなかチームの勢いとか・・それを言い訳にするつもりはないけど。アイツも凄い真面目やから。責任を勿論感じてるし。一回ちょっとリフレッシュさせて、結果ばかり求める!って言うよりも、色んなモノにトライして行くような時間にして、また帰って来てくれたらイイ」と不振の左腕を気遣った。

ヤクルト・原から5点を上げた打線だが、展開として難しい流れとなった事は十分理解している。「まぁまぁ、でも、完投させたらアカンわな。いつも言うように、オレらは状態を上げたり、成長して行かないとあかんチーム!と言うとこで言うと、やっぱり完投させる!って言うのは良くないよね!」。指揮官は、懸命に現状打破を誓っていた。